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お香典返しの贈り方

お香典返しはどのタイミングでどれくらいの金額を返せばいいのか?
という質問をよくいただきます。
そのため、今回は「お香典返し」についてお話いたします。

最近は受付でお香典を渡す際に、引き換えにお香典返しの入った袋を渡してくれることが、一般的になりましたが、一部の高額なお香典や品物を渡した場合などでは異なる取り扱いもします。

喪主の経験がない場合やあっても経験する場面は多くないので仕方のない面もありますが、急なご葬儀でバタバタしてしまい、お香典返しのタイミングが遅くなってしまうことがあります。
そのようなことがないよう、お香典返しとは一体どんなものなのか、事前に確認しておきましょう。宗派によってはお香典返しのタイミングが異なってくるので注意が必要です。

お香典とお香典返しとは?

お香典は、御霊前にお供えする線香やお花の代わりに贈る金銭を指します。
昔はお線香ではなくお香を葬儀に使用していて、参列者はお香を持ち寄るか、お香料として金銭を持ってきていました。
お香がお線香に変わり、現在は現物の代わりにお香典を渡すことがマナーとされています。
お香典返しは、お香典に対する返礼品です。
お香典には相互扶助の意味があり、本来お返しは不要とされていましたが、いつしか香典に対する返礼品であるお香典返しが始まり、現在はお香典返しをすることが一般的になっています。

お香典の額に応じた品を忌明け後に贈る

お香典の額に応じた品を忌明け後に贈る
お香典をいただいた人へのお礼であるお香典返しは、35日か49日の忌明け後に、あいさつ状を添えて品物を贈ります。
お香典には相互扶助の意味があり、本来、お返しは不要とされていましたが、現在はお香典返しをすることが一般的になっています。

お香典返しの値段の目安は、いただいた香典の額に応じて、その3分の1から半額程度です。
以前は、消耗品が一般的でしたが最近は多様化しており、商品券や好みの品を選べるカタログギフトが人気となっています。

また、お香典返しの品物には昔から定番とされているアイテムがあります。
定番とされるお香典返しはお茶や海苔に加え、タオルや洗剤などです。
消耗品が定番なのは、使うとなくなるため「不幸を消滅させる」意味があるからです。
タオルは「涙を拭く」、洗剤は「不幸を洗い流す」という意味になります。
近年では「贈った相手に喜んでもらいたい」という考えが主流となっているため、品物選びに苦労している方も多いようです。
選べない場合は葬儀社に相談してみるといいかもしれません。

お香典が高額でない場合は即日返しが一般的

最近では、通夜・葬儀の当日に、お香典の額にかかわらず一律3~5千円のお香典返しを渡す、即日返しというスタイルが主流です。
通夜や葬儀の際にお香典を納めてすぐにお香典返しを渡された経験がある人もいることでしょう。
遺族にとっては、お香典帳の整理や品物選びの手間など葬儀後の負担が軽減され、送料もかからないという点がメリットです。
ただし、1万円を超える高額のお香典をいただいた場合には、忌明け後にお返しをするケースがほとんどです。

忌明けの後返し品物の値段は、1万円を差し引いた残額の半返しが目安です。
例えば2万円のお香典をいただいたら、(2万円-1万円)×0.5で5千円程度になります。
地域によっては即日返しが定着していないところもあります。
お香典返しひとつとっても、その取扱いは地域によって多様です。
ずっとその地域に住んでいて葬儀に参列したことはあっても、喪主として葬儀を取り仕切る経験をした人は多くありません。
生まれ育った地域であってもその地域の葬儀の習慣を知らない場合もありますので、高額なお香典返しは葬儀社に相談しましょう。

お香典の代わりに花や線香などを送ってきた相手には、菓子折りなどのお返しをするケースが、多くみられます。
品物を送ってきた場合には正確な値段がわからないケースもありますが、類似品の値段を調べ、それを元に見積もりましょう。

お香典返しはいつまでにするの?

即日返し以外のお香典返しはいつまでに渡すのがよいのかは、宗派によって異なります。
宗派によって異なる理由のひとつは、忌明けのタイミングが異なるからです。
仏式の場合は49日法要(七七日忌・なななのかき)で忌明けとなるため、この法要から1カ月以内を目処に送ります。
神式は50日目に霊祭を行い、これが忌明けとされますので、仏式と同じくらいタイミングで忌明けです。
ここから1カ月程度で送るのがよいでしょう。
キリスト教式の場合は、カトリックだと亡くなられてから30日目の「追悼ミサ」、プロテスタントだと1ヶ月後の「昇天記念日」が忌明けにあたります。
キリスト教には元々お香典返しの習慣はありませんでしたが、最近では「お花料」の返礼としてお香典返しを渡すのが習慣化してきました。
宗派によって多少前後するものの、おおよそ葬儀後1カ月から2カ月程度で送るのが目安となります。

お香典返しのあいさつ状

お香典返しにはあいさつ状を添えるのが一般的で、別名お礼状とも言われます。
あいさつ状は故人のために参列、お供えをくださった方への感謝を伝えるためであり、葬儀が滞りなく終了したことを報告するための書状です。
かつては四十九日法要が終わった段階で参列者の家に直接訪問して謝意と報告をしたため、あいさつ状はありませんでした。
近年では即日返しが一般化したため、お香典返しとともに渡すことが多くなりました。

葬儀社やデパートなど、返礼品を扱う業者には書式のサンプルが用意されていて、故人様のお名前や戒名、施主名などを当てはめて作成できるようになっています。

サンプルと同じ文面で物足りない場合はパソコンなどで編集したオリジナル文章を作成する方法などもあります。その際には各社にご相談ください。

あいさつ状の書き方については、以下のような注意点があります。
・句読点は使わない。
・「ますます」などの繰り返し語は使わない
・「拝啓/敬具」「謹啓/謹白」といった頭語/結語を使う
・時候の挨拶は入れない
・「逝去」は故人に対する敬語なので身内には使わない
・便箋は一枚、二重封筒は使わない(重ね言葉を使用しないのと同じ理由)
・濃墨(地域によっては薄墨)を使う
ただこうした習慣も徐々に変化しており、句読点を用いない古典的な書式が慣習でも句読点を入れた書き方も増えております。
内容は、故人様のために弔問してくれたことに対する御礼の言葉、品物を返させていただく言葉、結びの言葉、日付と名前とするのが一般的です。
即日返しのお香典返しに添えるあいさつ状は一般的な文章を使うことが多いですが、特に故人の方と親しい方には特別なあいさつ状を送ることもあります。
例えば趣味のつながりで知り合った人、ペットのつながりで知り合った人などです。
こうした人たちには特別なあいさつ状を用意するとより感謝の気持ちが伝わります。

お香典返しをしなくてもよい場合

お香典返しをしなくてもよい場合
注意したいのが、お香典返しをする必要がないケースもあるということです。
これは地域によって古くから行われてきた習慣の場合と、近年増えてきた新たな考え方があります。
お香典返しをする必要がないケースは、主に次の3つです。

①お香典の中包みに「お香典返し不要」と書き添えられている場合
②故人様の遺志で香典を寄付した場合
③一家の稼ぎ頭が亡くなったケース

高額のお香典をいただいた場合でも香典袋に「お香典返し不要」と記載されていた場合には、お香典返しを送らなくても失礼にあたりません。
これはお香典を出した方の意思だからです。

②は近年増えてきた事例で、生前に「自分への香典は寄付してほしい」と故人様が依頼している場合があります。
寄付をした場合は寄付先を明記し、寄付先からの礼状があればそのコピーを同封してもよいでしょう。
ただし、この場合は、故人様の遺志であることをあいさつ状に記すのが礼儀です。

③は地域によって、という限定がつきますが、一家の稼ぎ頭が亡くなった場合お香典返しはしないという場合もあります。
これはお香典が扶助の意味を持っていることがよくわかる習慣です。
ただ、共働きが増えてきた現在ではこだわらなくなった地域もあります。

①お香典の中包みに「お香典返し不要」と書き添えられている場合
②故人様の遺志で香典を寄付した場合

ただし、②の場合は、あいさつ状にその旨を記すのが礼儀です。
寄付をした場合は寄付先を明記し、先方からの礼状があればそのコピーを同封してもよいでしょう。

最後に

普段は耳慣れない言葉ですが、香典返しは葬儀において一般的なものとなっております。
ただ、お香典返しは地域によって差異があり、ある地域の習慣が全国どこでも通用するわけではありません。
たとえ、ずっとその地域に住んでいたとしても、お香典返しの習慣までは知らないこともあります。
現在のお香典返しの位置づけは、通夜や葬儀に参列し、お香典を頂戴したことへの返礼です。
その気持ちがこもっていれば、その地域の習慣と少々異なっていてもよいといえます。
お悔やみの気持ちを下さった方々に対して、故人様の代わりに礼儀を尽くし、正しいマナーでお香典返しを行うことが大切です。

納得のいくお葬式にするために、事前相談をお薦めしております。

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