突然の知らせ。「家族が亡くなった」という出来事は、ショックと混乱を伴います。人生の中でもっともつらい瞬間のひとつですが、同時に「まだ何をどうしたらよいかわからない」「仕事への影響はどうなるのだろうか」といったさまざまな不安も湧いてくるものです。
そんなとき、まず気になるのが「会社へどう連絡すればよいのか」。ここでは、その流れとポイントを整理してご案内します。
いつ・誰に連絡するか
いつ連絡するべきか
容態が確定した段階で、できるだけ早めに会社へ連絡することをおすすめします。通常、容体が分かった時点、あるいは死亡が確認された時点で上司や人事担当に連絡するのがマナーです。
急を要する場合には「〜月〜日 午前◯時頃、家族が亡くなりました」「葬儀のため休暇をお願いしたい」というように簡潔に伝えられる内容で構いません。詳細については後ほど整理できるタイミングで補足すれば十分です。
誰に連絡するか
まずは直属の上司、次に部署内の同僚や人事部が基本的なルートです。会社によっては、特別な担当窓口や福利厚生部門がある場合もありますので、ご自身の職場のルールに従って連絡先を確認しましょう。
連絡手段と伝える内容
連絡手段
電話がもっとも確実で丁寧な方法です。急な事情がある場合は、まず電話で短く報告し、メールや社内チャットで改めて要点を整理して送信するケースも一般的です。
特に夜間や深夜に緊急で伝える際には、たとえば「深夜に失礼します」などの配慮を一言添えるとよいでしょう。
伝える内容(短く・整理しやすく)
電話やメールで伝える内容は、以下のように整理しておくとスムーズです:
- 【報告】家族(続柄例:父、母、配偶者、子)の死亡
- 【日時】亡くなった日時(可能であれば具体的に)
- 【今後の予定】葬儀の日程と出社や休暇の見通し
- 【対応依頼】代替勤務、業務の引き継ぎなど必要な調整
- 【連絡先】急用のための連絡方法(携帯電話など)
例文(電話):
「失礼します。実は本日午前○時頃、父が亡くなりました。葬儀は○日に予定しており、出社が難しい状況です。業務の引き継ぎについては△△さんにお話し済みです。急ぎ調整をお願いできればと思います。こちらの緊急連絡先は携帯***‑***です。よろしくお願いいたします。」
休暇制度と法的配慮
社内制度・慶弔休暇について
多くの企業で「慶弔休暇」制度があります。家族の死亡に際して一定日数の休暇が付与されるケースが一般的です(例:配偶者3日、父母・子ども2日等)。ただし、対象となるのは「法律で定められている休暇」ではなく、会社の就業規則や労働協約による規定となりますので、まず就業規則や人事に確認を。
有給休暇や特別休暇の活用
慶弔休暇を超える日数が必要な場合は、有給休暇の利用が可能です。また「特別休暇」として会社が追加で認めるケースもあります。休暇中の給与支払いのルール(有給か無給か)も事前に確認しておくと安心です。
連絡の無理のないタイミングと後続対応
心身の負担に配慮を
家族の死という深い悲しみの中で、すぐに詳細を準備したり、細かく説明したりするのは大変な負担です。まずは「手短に」「必要最低限を報告する」ことを優先し、詳細は後日整理して報告すれば問題ありません。上司も基本的にそのような事情を理解してくれます。
継続的なフォロー
出社復帰前後に、改めて関係部署へ「業務の進捗と今後の見通し」を報告するとトラブル予防につながります。リモートワークや時差出勤、時短勤務など柔軟な対応策も相談しておくと、負担の軽減につながります。
メンタルケアとサポートの活用
同僚や上司には、「悲しみに暮れている」「すぐに平常状態には戻れない」旨を率直に伝えておくと、業務での配慮や支援も得られやすくなります。「身体的には出社できても精神的な余裕がない」という状況を理解してもらうことも、大切なコミュニケーションです。
まとめ:連絡ルールで負担を少なく
最愛の家族を失う悲しみの中では、仕事への対応が重荷に感じられるかもしれません。しかし、会社への連絡は「形式を重視する」というよりも、「今後の手続きを整える手がかり」にすぎません。必要な支援や制度を活用しながら、無理なく進めていくことが大切です。
皆さまの心の痛みが少しでも和らぎ、平穏な日常を取り戻されることを願っています。