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「ご家族が危篤です」と医療機関から連絡が入ったら…
ほとんどの方は気が動転してしまいますし、大きなショックを受けることでしょう。
ご家族の危篤はとても辛いものですが、やるべきことを見据えて迅速に対応しなければいけない事もあります。
この記事では、大切なご家族の危篤に直面にした際の心構えと、対応やマナーついて詳しく解説していきます。
目次
ご病気や不慮の事故に巻き込まれるなどし、とても深刻な状態で、すぐにでも命が消えてしまう可能性が高いと判断される状況です。
重篤と混同されやすいのですが、重篤とは病状・状態は重いものの、回復される可能性がまだある状態です。
つまり危篤を告げられた場合、非常に辛いですが、意識を取り戻す可能性・命が助かる可能性はほとんどありません。
危篤が知らされる状況は大きく分けて2つあります。
一つは、長期療養中で容態が急変した場合です。
この場合は家族もある程度の覚悟ができているケースも多いでしょう。
もう一つは、急な病気やけがで病院に緊急搬送された場合です。
この場合は、家族にとっても晴天の霹靂です。
危篤の一方を聞いたら可能な限り早く病院へ駆けつけましょう。
大切なご家族の危篤を知らされて、心中とても動転しパニックの状態のはずです。
ですが、あたふたとして時間を無駄にしてしまい大切な人との最後に立ち会えないなんてことになれば、悔いても悔やみ切れません。
厳しいことを言ってしまいますが、危篤と宣告を受けた時点で、快復の見込みはほとんどないと判断された状況です。
ですから「ご家族の最後を看取る」という覚悟を決めて、一刻も早く駆けつけてください。
数時間で容態が急変する場合もあれば、数日~1週間以上も命が持つケースもあり、命の灯があとどれほどか持つのかは誰にも分かりません。
希望されれば、病院に泊まり込むことも可能です。
その場合は数日分の着替えを持参すると良いでしょう。
ただし「気が動転していてとても準備どころではない」と言った場合は、用意を他の方に任せるなど後回しにして、先に病院に向かってください。
なお、近しい人や親しい方が危篤になった場合は落ち着いていると自分では思っていても、かなり気が動転しているときもあります。
車やバイクの運転はできる限り避け、タクシー等で向かいましょう。
また、事故や急病で家族が急に危篤となった場合、すぐに駆け付けられない場所にいる可能性もあります。
その場合、まず到着までに時間がかかる旨を伝え、最短で病院に行ける方法をまず探しましょう。
シーズンオフならば、当日でも夜行バスなどが予約できる可能性があります。
病院についたらすぐに声をかけてあげましょう。
意識はあっても応える体力が残ってない場合もあり、あなたの声が本人に届いている可能性もあります。
「私の人生、幸せだった」と気持ちよく旅立ってもらうためにも、ポジティブな声掛けをしていきたいものです。
例:まだお婆ちゃんに裁縫のしかた教わってなかったな。まだ教わりたいことがたくさんあるよ。まだ死んでほしくないよ。
例:○○の旅行、すごく楽しかったね。途中で立ち寄ったあのお店、テレビに紹介されていたよ。また行きたいね。
例:いつも売り言葉に買い言葉になって、ごめん。
本当は感謝しているよ。
ネガティブな言葉や、死後の手続きに関する話は避けたいですね。
ここからは、周囲への対応と連絡についてご紹介します。
危篤の連絡を受けてから病院に駆けつけると同時に、親族への連絡も欠かさずに入れましょう。
危篤の連絡をするべき相手
・同居の家族
・三親等以内の親族
・危篤者と親しい友人、知人
危篤の連絡は確実・迅速に伝えられるよう電話連絡が一般的です。
深夜・早朝であっても、「朝早く・夜分に恐れいります」など一言お詫びを添えて、電話をかけると良いでしょう。
伝えるべき要点は次の5つです。
①危篤の家族との続柄・自分の名前
②危篤者の状態・症状(病状が悪化して息も浅くなってしまい、一両日が山山場だと言われていますなど)
③お願い・要望(息のあるうちに会ってほしい。まずは連絡のみを差し上げた。)
④危篤者のいる病院名・住所・病棟と病室・面会可能時間
⑤連絡している方の取りやすい携帯番号
漏れがないよう、簡単なメモを用意して伝えると良いでしょう。
遠方の方に伝える場合は?
現段階の分かっている範囲で状態を伝え、すぐに来てもらうのか判断しましょう。
というのも交通機関や宿泊施設の手配やスケジュールを調整してもらう必要がありますし、交通費や宿泊費を家族が支払うことも多いです。
危篤者との関係性を考えながら、判断したいですね。
家族が危篤の場合、最低1人は側についていましょう。
配偶者や、長子、親など最も近しい方が側にいてそれ以外の方が連絡役を引き受けるとスムーズです。
なお、社会的な地位がある方の場合、危篤の連絡だけで大人数に連絡が必要なケースもあります。
友人・知人・会社関係者が多数いる場合は、友人知人専門の連絡役を設置するのがおすすめです。
そうすれば、家族や親族が連絡するのは友人・知人代表者だけですみます。
このような方法が取れない場合、SNSの一斉連絡を使っても便利です。
LINEには一斉連絡の機能があるので、利用してみてもいいでしょう。
家族が高齢で長く病床にあるときなど、危篤になる可能性が高い場合は万が一に備えて危篤の際の連絡網を作っておくといざというときに役立ちます。
また、ご本人が自分の危篤の際に家族、親族以外に連絡したい方がいる場合は、エンディングノートを作り、連絡先を記しておきましょう。
命があとどれほどなのか、危篤の状況では医師でさえ判断は下せません。
できるだけ早く会社に連絡を入れ、上司・同僚にも状況を説明して「早退したい・会社に行けない旨」を理解してもらいましょう。
重篤なご家族がいらっしゃる場合は、普段から上司や同僚に伝えておくと、いざという時スムーズに引き継ぎができて病院にも向かえるでしょう。
「家族の危篤で会社は休めるのか」についてですが、忌引きは適応されません。一般的に有給休暇扱いになります。
有給休暇がない場合は、単純に欠勤扱いになります。アルバイトなどシフトで勤務している場合は、できるだけ早く連絡してシフトを組みなおしてもらいましょう。なお、危篤状態で一度持ち直した場合は、一度出社してこれからのことを相談するのがおすすめです。
再度危篤に陥る可能性も十分にあるので、仕事を抱えている場合は別の方に引き継ぎ、シフトからは極力外してもらいましょう。
そうすれば、通夜や葬儀などで忌引きを取る際も仕事の心配をせずにすみます。
危篤宣告を受け、深い悲しみの中「お金のことなんて…」と思われることでしょう。
ですが今後、各種手続きの中で莫大な費用がかかることを覚えておいて欲しいのです。
「ご存命の中でこれからの事など考えたくない」というお気持ち、よく分かります。
ですがそれでも、いざ誰もが避けられないご臨終となると、やるべき手続きが山のようにあるのです。
お亡くなりになった後には、口座名義人の死亡の事実が確認された後に凍結される=入用になる費用をご本人が用意しておいたとしても口座から調達できなくなることも考えておくべきことでしょう。
なお、口座名義人が亡くなった後、銀行に連絡せずに預金を引き出した場合、名義人の遺産相続を単純承認したものとみなされてしまう可能性があります。
口座名義人が多額の借金をしていたり使う予定のない土地などを所有していたりした場合、遺産を相続しても損にしかならない場合もあるでしょう。
負の遺産しかない場合は相続放棄をするのがおすすめですが、単純承認をしたとみなされてしまうと、遺産蜂起ができなくなります。
しかし、危篤の知らせで気が動転していると、お金をおろし忘れてしまうこともあります。
そのような場合は、「遺産分割前の相続預金の払戻し制度」を利用しましょう。
遺産分割前の相続預金の払戻し制度とは、口座名義人が亡くなった後、遺産分割前でも被相続人の銀行口座から、一定額まで引き出すことができる制度です。
150万円までならば相続人単独で必要な書類を用意すれば預金を引き出せます。
それ以上の金額を引き出したい場合は、家庭裁判所の仮処分が必要です。
「葬儀社なんて、検討する気持ちの余裕がない…」
ですがいざご臨終を迎えると、ご遺体を病院から安置場所へすばやく移動させなければなりません。
とくに葬儀社が決まっていない場合は、病院と提携している葬儀社に任せることもできますが、良く知らない葬儀社・担当者だと不安も多いものです。
事前にご本人が希望されている葬儀社(ご本人がエンディングノートをご用意されていれば分かるかもしれません)、または信頼のおける葬儀社と担当者に頼むことで心の重みが少しでも変わってくるでしょう。
かつては通夜、葬儀にそれぞれ1日ずつかける一般葬儀が主流でした。
しかし、コロナ禍を経た今、家族葬、密葬、直葬、一日葬などさまざまな葬儀が盛んになり、選択肢も豊富になっています。
家族葬とは、文字通り家族や近い親族だけで葬儀を上げる方法です。
密葬もほぼ同じですが、密葬の場合は後日社葬やお別れの会などを別途開催する場合もあります。
一日葬とは、お通夜と葬儀を1日でおこなう葬儀のやり方です。
直葬とは、葬儀もお通夜もおこなわずに遺体をそのまま斎場へ運んで火葬にします。
家族葬、1日葬、直葬は一般葬に比べると費用も抑えられ、日程も短くて済みます。
ご遺族に高齢者が多い場合や参列者が少ない場合、葬儀にあまりお金がかけられない場合は、家族葬などがおすすめです。
その一方で、家族のみで葬儀を行ってしまうと、弔問客への対応が大変な場合もあります。
交友関係が広い方や、知名度の高い方が亡くなった場合、一般葬のほうがおすすめです。
どうしても家族だけでお別れをしたい場合は、密葬を行ったうえでお別れの会などを検討しましょう。
葬儀は、仏式や神式、もしくはキリスト教式が一般的です。
しかし、現在は宗教に依らない葬儀も増えました。
本人が無宗教で葬儀を行いたいと希望していた場合、早めに葬儀社に相談しましょう。
故人様が好きな曲を流したり、好きな花で祭壇を飾ってもらったりして、心を込めて故人を見送れます。
また、故人様が信心している独自の宗教がある場合、それに沿った葬儀ができるかどうか葬儀社に相談しましょう。
なお、菩提寺があるが故人が仏教以外の葬儀を望んだ場合は、早めに住職にその旨を相談してください。
地方によっては、今でも菩提寺と檀家が密なお付き合いをしているところもあります。
うまく話をもっていかないと関係がこじれてしまう可能性もあるので、年配の男性に話をしてもらうのがおすすめです。
もしもの時に備えて、菩提寺・氏神・教会の関係者などに連絡を入れてもらいましょう。故人様が亡くなった後で連絡することもできますが、早めに連絡したほうが対応がスムーズです。
宗教に依った葬儀をしたいが菩提寺や氏神がない場合は葬儀社に相談してください。僧侶や神主を紹介してもらえます。
現在は、通夜・葬儀両方ともセレモニーホールで行うケースも増えていますが、それでも通夜は自宅で行う、通夜・葬儀も自宅で行う、といったお宅もあります。
通夜や葬儀を自宅で行う場合、家にたくさんの方が訪れます。
掃除をしたり不用品を捨てたりして接待ができるようにしておきましょう。
ご遺族様に時間的な余裕がない場合は、ハウスクリーニングを依頼するのもおすすめです。
また、不用品が多い場合は、不用品回収業者を依頼しましょう。
危篤になっているご家族が賃貸物件に住んでおり、お亡くなりになった場合早く退去をしなければならない場合、家具や家電の片付け、売却、廃棄を行います。
危篤になっているご家族が亡くなった後は、葬儀から遺産相続までやることが目白押しです。後片付けになかなか時間を割けない場合もあるでしょう。
時間があるときにやれるだけやっておくと後が便利です。
このほか、貴重品をまとめておきます。
ご危篤になっているご家族名義の口座、有価証券、登記簿などを探してどのくらいの遺産があるか把握しておきましょう。
不謹慎に思えますが、現在はネットバンクや通帳がない銀行口座も多く、どこにいくら財産があるか把握するだけでも大変です。
また、遺産分割を行った後で新しく口座が出てきた場合、もう一度遺産分割をやり直さなければなりません。
大切な家族が危篤宣告を受けたら…。
大切な人とのお別れが確実に近づいているということです。
親族も含め親しい友人など全員が悔いなくお別れができるよう、早めに周知を行いましょう。
お別れに際して心中、不安と悲しみでいっぱいのはずです。
お別れはいつだって辛いものですが、「もしものとき」は誰もが通る道です。
お葬式や役所への届け出など各種手続きが必要になりますし、残された家族の精神的な負担も確実に大きなものです。
だからこそ願わくば、そんな時にそばに頼れる人がいる、なんでも相談できる人がいる、そんな環境を整えていて欲しいと思います。
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